■皆さんが思い浮かべるクリスマスケーキとは?
クリスマスイブらしく今回は「ケーキ」をテーマにちょっと考えてみたいと思います。
そもそも日本でクリスマスケーキを食べる習慣はイギリスでのイブ(24日)やボクシングデー(26日)のティータイムに供される風習が日本で広まったものだそうですが、調べてみると肝心のイギリスでは日本で見かける生クリームのクリスマスケーキよりも「プラム・プディング(クリスマス・プディング)」や「」ダンディー・ケーキ(フルーツケーキ」)の方が多い様です。
まぁ、本当にはどちらのケーキが好まれているかなんて事実はイギリスに住んでみないと分からないです。福岡に住んでいても名物だと言われている水炊きは1~2年に一度、明太子ですら年に1~2回しか口にしないくらいですから。(某テレビ番組で○○の地域では○○が好まれるなんて情報も違っているという噂を見かけるくらいですし。)
さて、日本でのクリスマスケーキというと1910年の不二家の創業まで歴史は遡り、バタークリームからチョコレートケーキやアイスケーキへと一部で枝分かれをしながら生クリーム(ホイップクリーム)ケーキが一般的なものになって来た様に感じます。ただ、同時に海外のケーキも文化として取り入れられているというのが実に日本らしいのではないでしょうか?
その一つが、皆さんがよくご存知の「ブッシュドノエル」です。
僕なんか、このブッシュドノエルのケーキを漫画「ザ・シェフ」(ジョワイユー ノエル・クリスマスおめでとう)で知りました。何でも好きな娘にプレゼントを買えない貧しいフランスの青年が薪を贈った事が始まりなんだとか。逸話が本当かどうかなんて野暮な事は考えませんが、その薪を形どったケーキが広まっていくなんて実にフランスのイメージにぴったりな気がします。
■フランスのケーキと言うとどうしても気になるものがあります。
ちょっとクリスマスケーキとは離れてしまいますが、フランスのケーキというと忘れられないものがあります。そのケーキは子供の頃にフランス映画で観た記憶があるのですが、思い返してみると肝心の物語をすっかり忘れていてケーキを食べているシーンしか思いだせません。
いったいどんな映画だったのやら?
その場面は慎ましく仲良い家族が食卓でケーキを切るという単純なものなのですが、切り分けた男の子のケーキからコインが出てきて大喜びするといったものです。まだ小さかったので話そのものは覚えていませんが、そのケーキが羨ましくて仕方ありませなでした。
今になってしまえばそのケーキがフランスの公現節(1月6日もしくは2~8日の間の日曜日)に食べられる「ガレットデロワ」だという事は分かります。ケーキにコインや陶器の人形、指輪を入れており、切り分けた時にそれが入っていた人は一日王様になれるというものです。
しかし、クリスマスやハロウィン、バレンタインと違い、カソリックのお祝いである公現節(エピファニー)は日本には馴染まなかったため、お祝いで食べせれている「ガレットデロワ」も知られていないようですね。
■いったい何を観て「ガレットデロワ」を知ったのだろう?
しかし、何を見てこのケーキを知ったのか気になるとモヤモヤします。子供の頃にはフランス映画は「大人の映画」というイメージだったためそんなに意識して観た記憶がありません。
確かに、ミュージカル映画はかなり漁りましたが、レビューサイトでよく見かけるチャップリンの独裁者、シェルブールの雨傘はもちろん違います。更に、子供の頃に見た映画ですから、レ・ミゼラブルやタイピスト!、ミッドナイトインパリやオーケストラ!等の最近の映画も違います。そもそもイメージに残っている記憶ではクリスマスキャロルの様な時代背景でファンタジーだった気がするのです。
まさか、僕の記憶違いでアニメだったかなと思ってそちらも調べてみました。
いや、それでもフランスのアニメなんて日本と共同制作でもない限り見ていないよなと思ったのですが、調べてみるといろいろと見てましたね。キリクと魔女、アズールとアズマール、夜のとばりの物語、イリュージョニスト…出てきたほとんどを観ていたどころかうちのDVDコレクションの棚に並んでいます。
ただ、このままにしておくというのも何だか後味が悪いので、今後は時間を作って昔のフランス映画を観ながらゆっくり「ガレットデロワ」の出てくる場面を探してみようと思います。
ちなみに、フランスとの共同制作アニメと言うと僕は「小さなアヒルの大きな愛の物語 あひるのクワック」と「ルパン8世」が一番に頭を過ります。ただ、どちらも今では完全な状態で観られないのが残念でなりませんね。
いやはや。