■首里城の正殿、北殿、南殿が全焼の火事
2019年10月31日午前2時40分過ぎのこと首里城から煙が上がっていると通報が消防署に入り30台の消防車が駆けつける騒ぎとなりました。発生から6時間を経て火の勢いは収まりつつあるものの首里城の中心的な建物である正殿のほか北殿、南殿が全焼しています。
ネットでは一部でノートルダム大聖堂の火災を引き合いに出して「世界遺産」がまた一つ失われたという声も上がっているようですが、2000年に世界遺産として文化遺産に登録されたのは「首里城跡」であり、首里城そのものは戦争などで今回を含めて5度の火災に見舞われている建物です。
広く知られる首里城の創建年代は明らかでないものの火災の記録は多く1453年、1660年、1709年、1945年に今回の2019年が加わる事となりましたが、1945年の沖縄戦にて守礼門から正殿までが全壊、焼失した際の復元(1957年~1992年)から四半世紀後に再び起こった火災となります。
二千円札の絵柄にも描かれた首里城は歴史的、文化的な価値も高い沖縄の象徴であり、地域の方の悲しみは計り知れません。僕自身も今年の春に初めて訪れて見学したばかりだったので感慨深い気持ちです。
また、首里城近くにある首里城公園は2020年5月2日の東京オリンピックのスタート地点にもされています。
YouTube検索:首里城の火災
■出火の原因についての憶測と炎上商法を狙ったYouTuberの出現
出火の原因についてはまだはっきりと分かっていませんが、令和元年首里城祭が10月27日~11月3日の期間で行われていたため万国津梁の灯火(準備等)が原因ではないかという意見や地域住民インタビューから中学生らしき人物が首里城内で焚火をしていたのでその不始末ではないかという意見が見受けられます。
また、午後に行われた消防の会見によると出火元が建物内であるという話でしたので業者の作業に使う機器の電気をつけたままにしていたのではとか配線が古くなっていたのではといった意見も出てきましたが、どれも憶測を超えるものではありません。
その他の関連ニュースとしましては、明らかにニュースに便乗して炎上商法を狙ったYouTuberの動画が一部で問題になっているようです。
その人物は動画内で「燃やしたのは僕です。」と述べており、それを見た方からは不謹慎だという声が多く上がっています。彼の動画の視聴回数を伸ばす手伝いをしたくはありませんのでリンクでの紹介はしませんが同人物が先日も転落したニコ生配信者を騙り「無事生きてます。」といった配信をしておりYouTuberのモラルが問われています。
単なる売名行為なのでしょうが偽計業務妨害にあたるのではないでしょうか?
■再建や復元についてはどうなるのか?
既に「再建、復元については今はまだ考えられない」というコメントが出ていますが、僕が言う事でもありませんが、ぜひとも再建、復元をして頂きたいと願います。そのためにそれぞれが協力していける事は何かについても今後話し合われていくと思います。
ちなみに、前回の首里城の復元の際には消失前の彩など正確な資料が無いため当時を知る方々の記憶を一部頼りに再建されましたが、復元が終わってしばらく後の2014年にはアメリカで焼失前の首里城のカラー映像が見つかっています。
どうやら思った以上に現代は情報が世界で繋がっているようです。
ノートルダム大聖堂の復元においてゲーム制作時に作成された3Dデータが役立ったという前例もあるようですし、ネット内ではドローンや計測技術が格段に上がっている今だからこそ全国の遺産文化財の3Dデータを取るべきではないかという意見も上がっているようです。